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親知らずは正式には「第三大臼歯」と呼ばれています。永久歯の中でも一番最後に、最も奥に生えてくる歯で、たいていは15歳前後、人によっては20代になってから生えてきます。
親知らずは基本的に、上顎の左右に各1本、下顎の左右に各1本の合計4本ありますが、人によってはすべて、または一部の親知らずがない人もいます。
なお、親知らずは斜めに生えたり他の永久歯を押して歯並びやかみ合わせに悪い影響を与えることが多いため、生えても抜歯することが珍しくありません。

■ 親知らずの生え方

  • まっすぐ(正常)

    親知らずが他の歯と同じようにまっすぐに生えている状態です。頬の内側の粘膜や歯肉を傷つけてしまう場合は、抜歯することがあります。
    歯根までまっすぐであればスムーズに抜歯できますが、歯の根が顎の骨に絡んでいたり一部が骨に埋まっている場合は、抜歯に時間がかかりがちです。

  • ななめ

    親知らずのお悩みの中でも一番多いのが斜めに生えているケースです。
    まわりの歯を押して歯列に影響を及ぼしたり、汚れがたまりやすく炎症やむし歯を起こすことがあります。まだこうしたトラブルが起きていなくても、早めの抜歯がおすすめです。

  • 水平(埋没)

    親知らずが歯ぐきの中で横向きになって生えてこない状態です。
    隣りの歯の歯根を押している場合は抜歯がおすすめです。
    親知らずが歯ぐきから出ていないので、歯肉を切開し親知らずを分解して取り出すなどの処置を行うことになります。

■ 抜歯が難しい症例

  • 歯や歯の根の形

    親知らずが隣の歯に食い込んでいたり、歯の根が曲がりくねっていたり、顎の骨に入り込んでいるなどのケースは、抜歯が難しく処置に時間がかかることがあります。

  • 口の開き具合

    顎関節症の方やお口が小さめなどの理由から、口が大きく開かない方もいらっしゃいます。その場合はお口の奥まで器具が届きにくく、抜歯するのに時間が必要となることもあります。

  • 血管、神経の位置

    下顎には太い神経や血管が通る「下顎管」があります。親知らずはこの下顎管のそばに生えていることがよくあります。下顎管に影響を及ぼさないように、抜歯前に十分な検査を行うことが大切です。

■ 親知らずは抜くべき?

すべての親知らずを抜かなくてはいけないというわけではありません。親知らずによってトラブルが起こっていたり、将来起こる可能性がある場合だけ抜歯をおすすめしています。
たとえば親知らずが横向きや斜めに生えている場合は、隣の歯を押して歯列に影響したり歯ぐきが腫れる、むし歯になりやすくなる可能性があるので抜歯した方がいいでしょう。
また、親知らずが斜めに生えているために磨き残しやすく、歯肉に炎症が起こりやすい場合も抜歯を推奨します。
親知らずは長期間経つと、顎の骨と癒着して抜歯の際に骨を削ることもあります。また、中高年になると抜歯による腫れや痛みは長引きやすくなります。抜歯するのであれば若いうちに行っておくのがおすすめです。